ドラマ24「ストレンジ -伊藤潤二の夜も眠れぬ奇妙な話-」原作『富夫・赤いハイネック』見どころ感想

『富夫・赤いハイネック(とみお・あかいハイネック)』は、伊藤潤二先生の単行本『魔の断片(まのだんぺん)』に収録されている、「首が繋がっているかどうかのサスペンス」を極限まで描いた、超個性的でスリリングな傑作短編です!

かつて斎藤工さん主演で実写映画化(『首くくり気球』等と並ぶプロジェクト)もされた人気作で、伊藤先生ならではの「シュールな設定なのに、本気でハラハラする」という唯一無二の魅力が詰まっています。

本作の見どころと、収録本『魔の断片』についてまとめました。

🧣 『富夫・赤いハイネック』のあらすじ

主人公の富夫は、恋人のまどかがありながら、つい妖艶な占い師の女と浮気をしてしまいます。しかし、その女の正体は「気に入った男の生首のコレクション」を集める恐ろしい魔女でした。

浮気を後悔し、まどかのもとへ戻った富夫。しかし、彼の首には魔女によって「目に見えない呪いの糸」が仕込まれていました。魔女に首を切り落とされた(と思い込んだ)富夫は、「手で頭を支えていないと、首が胴体からポロリと落ちてしまう!」という異常な恐怖に狂いそうになります。恋人のまどかは、頭を両手で必死に支え続ける富夫を助けようと奔走しますが……。

ここが最高にスリリング!3つの見どころ

1. 「手を離したら首が落ちる」という究極の緊迫感

設定だけ聞くと少しシュールで笑ってしまいそうになりますが、本編の緊迫感は凄まじいです。 トイレに行くにも、寝るにも、一瞬たりとも頭から手を離せない富夫。ちょっとでも手が滑れば、皮膚が裂けて血が吹き出しそうになる……という、読んでいる側の喉元まで痛くなってくるような圧倒的なサスペンス描写が続きます。

2. 健気すぎる恋人・まどかの奮闘と、富夫の情けなさ

浮気をして呪われた自業自得な富夫に対して、恋人のまどかが本当に健気で良い子なんです。頭を支え続けて疲弊していく富夫のために、赤いハイネックのセーターを着せて首を固定しようとしたり、必死に病院を探したりします。この二人の必死なドラマが、物語をぐいぐい引っ張ります。

3. 「呪い」か「ノイローゼ」か? 脳がバグるラスト

物語のクライマックス、富夫の首がどうなっているのかの真相が明かされます。それは、人間の心理的な恐怖の深淵を描く伊藤先生らしい、「悍(おぞま)ましくも、どこか滑稽で、最高にブラックユーモアが効いた結末」となっています。

収録本『魔の断片』の中での魅力

『魔の断片』は、伊藤潤二先生が久しぶりに描き下ろした本格ホラー短編集として当時非常に話題になった単行本です。

この本には『富夫』の他にも、

  • 解剖されることに快感を覚える女を描いた『解剖ちゃん』

  • 夫を亡くした未亡人がとんでもない行動に出る『緩やかな別れ』(←本日7/3放送のドラマ「ストレンジ」の最終話原作!)

など、アイデア一発勝負でありながら、人間の内面の毒を鋭く描いた名作が目白押しです。

特に『富夫・赤いハイネック』は、その中でもトップクラスにテンポが良く、ホラー初心者からコアなファンまで誰もが楽しめる、ジェットコースターのような一作です!

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