「季節のない街」第1話あらすじネタバレ感想

季節のない街 第1話について

“ナニ”と呼ばれる大災害から12年。今でも残っている仮設住宅にトラという猫を連れた半ズボンの男がやってきました。

住人の男が妻に外へ放り出されています。何が原因か分かりませんが夫婦喧嘩です。奥さんの方が強そうですが、多分夫の行動が原因だと思います。喧嘩ですが、かえって仲の良い夫婦のように見えます。

半ズボンの男が依頼された仕事は仮設住宅で暮らす人々の様子の報告をリモートで、ギャラは電子マネーで振り込みです。

コインランドリーもあり、一部ではWi―Fiも使えます。

テレビの中継で、12年たった今もこの仮設住宅では今なお13世帯が住んでいると放送しています。災害から12年たった仮設住宅の中継をするテレビ局があるのが意外です。視聴者に何を伝えたいのか分かりません。

「どですかでん」と叫びながら、見えない電車を運転して、走っている男がテレビ中継中のカメラの前を通り、走ってきたところに猫がいたので、線路の上を歩いていると言って怒りました。

テレビ中継している場所も、猫のトラがいた場所も六ちゃんの電車の線路だったのでしょうね。電車に関しては律儀なところが面白くもあり、感心させられます。

猫の飼い主の半ズボンの男は名前を聞かれ田中新助と名乗りましたが、半ズボンをはいているので、お前は半助だと呼び名をつけられてしまいました。

猫の名はトラです。

架空の電車は再び走り出しました。半助がその様子をスマホで撮っていると、窓から上半身を出した住人が「六ちゃんだよ」と教えてくれました。

「どですかでん」の意味が分からなかったので、調べてみたら電車が走る音を表現した擬音だと言うことでした。世間一般が使う言葉ではなく六ちゃんが電車の走る音を表現した擬音で意味はありませんでした。

その住人は外に出てくると、半助こと新助に青年部に入らないかと誘い。

この仮設住宅は家賃がタダだけど月収12万を超えると出ていかなければならないことを教えてくれました。

猫のトラは総菜屋〈わんぱくデリカ〉の揚げ物を盗み食いしようとして店主・くに子に追い払われましたが、逃げながら店先の揚げ物を入れ物ごと落としてしまいました。

そこへくに子の息子・六ちゃんが帰ってきて、その様子を見て怒りました。

六ちゃんは母-くに子から、絶対に”街“から出てはいけないと言いつけられているので、架空の電車で走り回るのは”街”の中だけです。

”街”の人々はそんな六ちゃんを気にも留めず、六ちゃんの姿が見えない人は六ちゃんからも見えていないのです。

半助は六ちゃんに関するメールを送信しました。
チャイムが鳴って男の声が聞こえました。

リカーショップオカベだと名乗って、ミッチー様から食料品とお酒の差し入れの配達だと言っています。半助の仕事の依頼主の三木本からだったので喜んで受け取ろうとすると、4126円を要求されました。

着払いだったのですが電子マネーで支払えました。

差し入れなのに半助が支払いをすると言うのも変です。与田タツヤが拾った冷蔵庫を持って入ってきて、半助のプライベートの事をいろいろ質問しました。

半助は家が全壊、母が死亡、祖父、父、兄が行方不明だと話しました。
六ちゃんが道具箱を持って家の外に出てきました。電車の朝の点検です。これも電車は架空です。

点検する時の叩く音の擬音なども入っていて、六ちゃんの動きに合わせて音が入るのも面白いです。

点検から車内のアナウンスまで本当に細かい事まで忠実に表現していて感心しました。六ちゃんがどれほど電車が好きなのかが分かります。

自転車がパンクしてしまったと言う女の子が乗せて欲しいと言うと、女の子を負ぶって“街”のゲートまで来て止まりました。

おぶさっている女の子がどうしたのかと問いかけると、ひとりで“街”から出てはダメと言われていると答えました。

女の子は、一人じゃないと言いました。確かに二人です。苦しいい言い訳ですが言いつけは守ったことになります。笑ってしまいました。

女の子は深く考えたわけではなくそのままを言ったわけですが、六ちゃんは母の言いつけに背いてはいません。思い切ってゲートを越えて“街”から出ました。

道路に出ると「発車しまーす。閉まるドアにご注意ください。ドア閉まります」と架空のマイクでアナウンスして走り始めました。
六ちゃんの目には道路が線路に見えています。海沿いの長い道を女の子を背負って走っています。

踏切に差し掛かると丁度汽車が来て遮断機がおりました。
女の子は、此処で降りますと言って降りると、二人の前を、凄い速度で電車が走り抜けました。

女の子は、踏切を超えて線路を渡ると、お礼を言って立ち去りました。

六ちゃんは踏切の前で電車を眺めていましたが帰宅して店の脇のベンチに腰掛けて、どうってことなかったな。ブレーキの音がうるさかったなと感想を述べました。あまり感動しなかったようです。

母が今日は早かったねと声を掛けると、今日は運休だと言ってその場から立ち去りました。
半助が外へ出ようとして戸を開けるとトラが揚げ物をくわえてきていました。
総菜屋〈わんぱくデリカ〉の揚げ物は美味しそうで、トラが食べたいのはよくわかります。

あまり儲かってしまうと仮設住宅を出なければならないでしょうが、お客さんが買っているシーンが無いのが残念です。お店の脇のベンチで揚げたてを食べたら美味しいだろうと思います。

半助がトラを怒っていると、外が騒がしく、パトカーが来ていて男が警官に取り押さえられています。

なんと、その男は六ちゃんでした。小学生の娘が昨日から帰っておらず、捜索願が出ていると言うのです。

警官がドライブレコーダーに写っている映像を見せましたがそこには、女の子を背負った六ちゃんが写っていました。

時間は8時か9時だと言うと”街“の皆は六ちゃんは「どですかでん」と叫びながら走っていたと証言しました。

警官はドライブレコーダーに移っていると言い張りましたが、”街“の住人達は一歩も引きません。
半助も聞かれましたが、いつも六ちゃんが家の前を通る時間をすべて記録していたので、それをすべて発表して、いつもの様にこの時間に走っていたと証言しました。

なぜそんなに詳しいのかと聞かれると、六ちゃんのファンだからだと答えました。
そこに女の子の手を引いた父親が現れ塾をさぼって此処で夜を明かしたことを話したと言うのでした。

そして、六ちゃんに駅まで送ってもらったことも話しました。

一件落着です。

女の子は、車に乗ると、有難う運転手さんとお礼を言いました。
六ちゃんの母・くに子は半助に、六ちゃんを見ていてくれて有難うといって、揚げ物を沢山くれました。

半助はトラがすみませんと謝りました。
半助はまた、オカベとタツヤに青年部に誘われ、カフェを作りたいと言う話を聞いて、断りました。

六ちゃんは仏壇に向かって母の事をお願いしています。
タツヤが外で横になっていると、兄のシンゴがやってきました。お金の無心かもしれません。嫌な予感がします。

この”街“の住人は他人の生活に立ち入り過ぎることなく平和に暮らしながら助け合う、いい関係が出来ていると思います。