NHKBSドラマ『TRUE COLORS』の原作小説『わたしだけのアイリス』感想 ネタバレ

『わたしだけのアイリス』が描く「色彩」と「心の再生」の物語

『わたしだけのアイリス』がどれほど深いテーマを扱った物語であるか、改めて心を動かされました。

主人公・立花海咲が、ファッションフォトグラファーとして輝かしいキャリアを築いていた矢先に色覚障害の難病「錐体ジストロフィー」を告げられるという導入部分だけでも、その重みを感じずにはいられません。

 

特に印象的だったのは、海咲が病をきっかけに故郷・天草へ帰省し、長年背負ってきた家族との確執や、父の事故死の真相と向き合うという展開です。

 

都会で成功をつかみながらも色を失い、故郷で心の再生を果たしていく過程には、

多くの人が共感を覚えるのではないでしょうか。

 

私たちは何かを得るとき、何かを失うこともある。

 

その中で、本当に大切なものを見つけることが、

この物語の大きなテーマとして感じられます。

 

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また、海咲が故郷で再会する親友や恩師、家族とのやりとりを通じて、

過去の痛みが解きほぐされていく様子が丁寧に描かれている点も心を打ちます。

 

特に、母と再婚した辻村の背景や想いを知るシーンでは、

ただの和解を超えた、人間関係の奥深さを感じました。

 

「お金で人生を買おうとした」と憎んでいた相手が、

実は家族のためにすべてを捧げた人物であったという事実に気づいた海咲の心の変化には、

 

人間が抱える誤解や偏見、そしてその克服の力強さが見事に表現されています。

 

そして、「世界で一番美しい色」とは何かを問いかける本作のテーマは、

色覚障害という病気だけでなく、人生そのものに通じる普遍的な問いだと感じました。

 

それは私たちが日常の中で見落としている「色」、つまり感動や愛情、優しさといったものを改めて考えさせられる契機を与えてくれるでしょう。

文庫版の発売やドラマ化が決定したことで、NHKBSプレミアムドラマ『TRUE COLORS』(トゥルーカラーズ)がより多くの人々の心に届くことが期待されます。

特に映像化にあたって、天草の美しい自然や色彩をどう表現するのかも楽しみです。

この作品は、私たちの心の奥深くに訴えかける力を持った感動作として、多くの人に響くに違いありません。

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